0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

1回使った数字は、2度使ってはいけない とします。

3桁の数字で、5の倍数の一位の数字は、0 か 5 のどちらかです。

① 一位の数字が 0 の場合。
十位の数字は、1,2,3,4,5 の何れかで 5通り。
百位の数字は、十位で使った数字を除く 4通り。
つまり、合計で 5×4=20 で、20通り。

② 一位の数字が 5 の場合で、十位の数字が 0 の場合。
百位の数字は、1,2,3,4 の何れかで、4通り。

③ 一位の数字が 5 の場合で、十位の数字が 0 以外の場合。
十位の数字は、1,2,3,4 の何れかで、4通り。
百位の数字は、0 と十位で使った数字を除く 3通り。
つまり。合計で 4×3=12 で、12通り。

全部で、①+②+③=20+4+12=36 で、36個。

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0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る
数学IAIIB

2020.04.06

ここでは整数を並べてできる3の倍数の個数を求める問題について説明します。

まず,3の倍数の見分け方を知っておこう。

3の倍数各位の数字の和が3の倍数のとき,元の数は3の倍数である。

上の記事でも3の倍数を作る問題の説明をしましたが,扱う整数が多くなると結構大変です。

扱う整数が多くなっても,楽に解ける方法を知っておきましょう。

Contents

  • 1 3の倍数を作る問題
    • 1.1 各位の数字の和に着目した解法
    • 1.2 3で割った余りに着目した解法
  • 2 3の倍数を作る問題2
    • 2.1 各位の数字の和に着目した解法
    • 2.2 3で割った余りに着目した解法

3の倍数を作る問題

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

実際に学校の定期テストで出題された次の問題を考えてみよう。

問題6個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5がある。異なる3個の数字を用いてできる3桁の3の倍数の個数を求めよ。

各位の数字の和に着目した解法

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

まずは各位の数字の和に着目して解いてみよう。

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

各位の数字の和の最小は3で最大は12だから,3, 6, 9, 12の4つに場合分けをすれば良いね。

【考え方と解答】
各位の数の和を $N$ とする。
(i) $N=3$ のとき
$(0,~1,~2)$を用いてできる数であり,百の位は0以外でなければならないから

\begin{align*}
2\times2\times1=4~個
\end{align*}

(ii) $N=6$のとき
$(0,~1,~5),~(0,~2,~4),~(1,~2,~3)$を用いてできる数である。
$(0,~1,~5),~(0,~2,~4)$ のときは0を含んでいるから百の位に注意して,それぞれ

\begin{align*}
2\times2\times1=4~個
\end{align*}

$(1,~2,~3)$のときは異なる3個のものを並べるから $3!=6$ 個
したがって,

\begin{align*}
4\times2+3!=14~個
\end{align*}

(iii) $N=9$のとき
$(0,~4,~5),~(1,~3,~5),~(2,~3,~4)$を用いてできる数だから,同様にして

\begin{align*}
2\Cdota2\Cdota1+3!\times2=16~個
\end{align*}

(iv) $N=12$のとき
$(3,~4,~5)$を用いてできる数だから,$3!=6$ 個
以上より,

\begin{align*}
4+14+16+6=40~個
\end{align*}

3で割った余りに着目した解法

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

6個の数字を3で割った余りで分類して考えよう。

【3で割った余りで分類して考える利点】
3で割った余りに着目することで,すべての自然数は次のように3つに分類できる。

\begin{align*}
&A=\{3k\mid k~は0以上の整数\} \\[4pt]&B=\{3k+1\mid k~は0以上の整数\} \\[4pt]&C=\{3k+2\mid k~は0以上の整数\}
\end{align*}

と表される。3つの数字の和が3の倍数になるのは次の4つのタイプに限られる。
(i) $A$ から3つの数字を選ぶ。
(ii) $B$ から3つの数字を選ぶ。
(iii) $C$ から3つの数字を選ぶ。
(iv) $A,~b,~C$ それぞれから1つずつ数字を選ぶ。
$k,~l,~m$ を整数として確認しておこう。
(i)のとき,選ぶ3つの数を $3k,~3l,~3m$ とすると

\begin{align*}
3k+3l+3m=3(k+l+m)
\end{align*}

となり3の倍数になる。
(ii)のとき,選ぶ3つの数を $3k+1$, $3l+1$, $3m+1$ とすると

\begin{align*}
(3k+1)+(3l+1)+(3m+1)=3(k+l+m+1)
\end{align*}

となり3の倍数になる。
(iii)のとき,選ぶ3つの数を $3k+2$, $3l+2$, $3m+2$ とすると

\begin{align*}
(3k+2)+(3l+2)+(3m+2)=3(k+l+m+2)
\end{align*}

(iv)のとき,選ぶ3つの数を $3k$, $3l+1$, $3m+2$ とすると

\begin{align*}
3k+(3l+1)+(3m+2)=3(k+l+m+1)
\end{align*}

となり3の倍数になる。
もっと楽に確認する方法として,余りの0, 1, 2だけに着目する方法がある。
0, 1, 2の3つの数字から重複を許して3つの数字を選び,その和が3の倍数になる組み合わせを探そう。
同じ数字を3つ選ぶか,0, 1, 2の3つの数字を選ぶかの全部で4パターンしかないことが分かるだろう。
このように,扱う数字が増えても,最大でも4つの場合分けしか存在しないから楽になるのである。

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

3で割った余りに着目して,問題を解いていこう。

6個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5がある。異なる3個の数字を用いてできる3桁の3の倍数の個数を求めよ。

【考え方と解答】
0から5の6つの数字を次の3つのグループA, B, Cに分ける。

\begin{align*}
&A=\{0,~3\} \\[4pt]&B=\{1,~4\} \\[4pt]&C=\{2,~5\}
\end{align*}

3の倍数となるのは,A,~B,~Cの3つのグループからそれぞれ1つずつ数字を選ぶときである。
0は百の位では使えないため,$A$ から0を選ぶときと選ばないときで場合分けをして考える。
(i) $A$ から0を選ぶとき
$B,~C$ から1つずつ数字を選ぶ方法は,それぞれ2通りあるから,数字の選び方は $2\times2=4$ 通り。
また,その選んだ2つの数字と0を並べて3桁の整数を作る方法は,百の位に0を使えないことに注意して

\begin{align*}
2\Cdota2\Cdota1=4~通り
\end{align*}

したがって,3桁の3の倍数は

\begin{align*}
4\times4=16~個
\end{align*}

(ii) $A$ から3を選ぶとき
$B,~C$ から1つずつ数字を選ぶ方法は,それぞれ2通りあるから,数字の選び方は $2\times2=4$ 通り。
また,その選んだ2つの数字と0を並べて3桁の整数を作る方法は,$3!=6$ 通り。
したがって,3桁の3の倍数は

\begin{align*}
4\times6=24~個
\end{align*}

(i), (ii)より

\begin{align*}
16+24=40~個
\end{align*}

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

最初の解法では4通りに場合分けをしたが,この解法では2通りの場合分けで済んだ。

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

扱う数字が0から9の10個になると,より楽に感じるだろう。

3の倍数を作る問題2

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

それでは次の問題を解いてみよう。

問題10個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9がある。異なる3個の数字を用いてできる3桁の3の倍数の個数を求めよ。

各位の数字の和に着目した解法

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

まずは各位の数字の和に着目して解いてみよう。

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

各位の数字の和の最小は3で最大は24だから,3, 6, 9, 12, 15, 18, 21, 24の8つに場合分けをすれば良いね。

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

これは大変だけど,誰もやらないだろうから,ここでやっておくことにする。

【考え方と解答】
各位の数字の和を $N$ として,3つの数字の組み合わせを考える。
① $N=3$ のとき,$\{0,~1,~2\}$
② $N=6$ のとき,$\{0,~1,~5\}$, $\{0,~2,~4\}$, $\{1,~2,~3\}$
③ $N=9$ のとき,$\{0,1,8\}$, $\{0,2,7\}$, $\{0,3,6\}$, $\{0,4,5\}$, $\{1,2,6\}$, $\{1,3,5\}$, $\{2,3,4\}$
④ $N=12$ のとき,$\{0,3,9\}$, $\{0,4,8\}$, $\{0,5,7\}$, $\{1,2,9\}$, $\{1,3,8\}$, $\{1,4,7\}$, $\{1,5,6\}$, $\{2,3,7\}$, $\{2,4,6\}$, $\{3,4,5\}$
⑤ $N=15$ のとき,$\{0,6,9\}$, $\{0,7,8\}$, $\{1,5,9\}$, $\{1,6,8\}$, $\{2,4,9\}$, $\{2,5,8\}$, $\{2,6,7\}$, $\{3,4,8\}$, $\{3,5,7\}$, $\{4,5,6\}$
⑥ $N=18$ のとき,$\{1,8,9\}$, $\{2,7,9\}$, $\{3,6,9\}$, $\{3,7,8\}$, $\{4,5,9\}$, $\{4,6,8\}$, $\{5,6,7\}$
⑦ $N=21$ のとき,$\{4,8,9\}$, $\{5,7,9\}$, $\{6,7,8\}$
⑧ $N=24$ のとき,$\{7,8,9\}$
0を含まない組み合わせについては,3つの数字の並べ方は

\begin{align*}
3!=6~通り
\end{align*}

0を含む組み合わせについては,3つの数字の並べ方は

\begin{align*}
2\Cdota2\Cdota1=4~通り
\end{align*}

よって,全部で

\begin{align*}
30\times6+12\times4=228~個
\end{align*}

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

これは疲れるね・・・

3で割った余りに着目した解法

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

10個の数字を3で割った余りで分類して考えよう。

【考え方と解答】
0から9の10個の数字を次の3つのグループA, B, Cに分ける。

\begin{align*}
&A=\{0,~3,~6,~9\} \\[4pt]
&B=\{1,~4,~7\} \\[4pt]
&C=\{2,~5,~8\}
\end{align*}

3の倍数となるのは,次の4つのときである。
(i) $A$ から3つの数字を選ぶとき
(ii) $B$ から3つの数字を選ぶとき
(iii) $C$ から3つの数字を選ぶとき
(iv) A,~B,~Cの3つのグループからそれぞれ1つずつ数字を選ぶときである。
(i)のとき
0を選ぶとき,残り2つの数字の選び方は,$\{3,~6\}$, $\{6,~9\}$, $\{6,~9\}$ の3通りある。
百の位は0以外であることに注意して

\begin{align*}
3\times2\Cdota2\Cdota1=12~個
\end{align*}

0を選ばないとき,3, 6, 9を選ぶから,3桁の3の倍数は $3!=6$ 個
(ii)のとき
3桁の3の倍数の個数は,1, 4, 7の3つの数字を並べる方法と等しく $3!=6$ 個
(iii)のとき
3桁の3の倍数の個数は,2, 5, 8の3つの数字を並べる方法と等しく $3!=6$ 個
(iv)のとき
$B,~C$ から数字を選ぶ方法がそれぞれ3通りある。
$A$ から0を選ぶとき,百の位が0以外であることに注意して,3の倍数は

\begin{align*}
3\Cdota3\times2\Cdota2\Cdota1=36~個
\end{align*}

$A$ から0を選ばないとき,$A$ から数字を選ぶ方法は3通りある。よって,3の倍数は

\begin{align*}
3\Cdota3\Cdota3\times3!=162~個
\end{align*}

以上より

\begin{align*}
12+6+6+6+36+162=228~個
\end{align*}

0 1 2 3, 4の5 つの 数字を使って3桁の整数を作る

ヒロ

3の倍数であるためには,各位の数の和が3の倍数であることを知っておくべきであるが,3で割った余りで分類する考え方や解法も身に付けておくと良いだろう。

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