概要カルボニル化合物から生じるエノラートもしくはエノール種がアルデヒド/ケトンへと求核攻撃し、炭素-炭素結合を形成しつつβ-ヒドロキシケトン(アルドール)を与える反応。Brönsted酸/塩基触媒存在下の加熱条件が古典的条件として用いられる。 得られたアルドール体を脱水させると、α,β-不飽和ケトンが生成する(アルドール縮合)。 開発の歴史ロシアの作曲家兼化学者であるアレクサンドル・ボロディンによって開発されたとされる。 アレクサンドル・ボロディン 基本文献・Kane, R. J. Prakt. Chem. 1838, 15,
129. <review> ・Mukaiyama, T. Org. React. 1982, 28, 203. DOI: 10.1002/0471264180.or028.03 反応機構すべての過程は平衡・可逆である。逆反応を特にレトロアルドール反応と呼ぶ。主生成物は化合物の熱力学的安定性によって決まり、収率は用いる基質に大きく依存する。厳密な立体制御は通常難しい。さらに、さまざまな副生成物(脱水体、自己縮合体など)が副生するため、望みの化合物だけを狙って得るには工夫が必要になる。 反応例シリルエノラートを経由せずに交差アルドール反応を行う条件(直接的アルドール反応)にて立体制御が可能になれば、アトムエコノミー的観点からも意義が大きく、有用な反応となる。柴崎らは、ランタノイド-アルカリ金属複合型触媒を用いる世界初の直接的触媒的不斉アルドール反応を開発している。[1] エナミンを経由する分子内アルドール反応は全合成にも良く用いられる。以下は(-)-Calyciphylline Nの合成における適用例。[3] 実験手順実験のコツ・テクニック関連動画参考文献 [1] (a) Yamada,Y. M. A.; Yoshikawa, N.; Sasai, H.; Shibasaki, M. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 1871. doi:10.1002/anie.199718711 (b) Yoshikawa, N.; Yamada, Y. M. A.; Das, J.; Sasai, H.; Shibasaki, M. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 4168.
DOI: 10.1021/ja990031y 関連反応
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