AppleCare は有料ですか?

Appleの延長保証"AppleCare+"(アップルケアプラス)に入るべきか迷っていませんか?

結論からお伝えすると"AppleCare+"は不要です。その理由は"そもそも保証範囲内の故障はそんなに多くない"からです。故障率が最も高いのは購入後1年以内なので購入時に無料で付いている1保証で十分です。

この記事では筆者自身のapple製品の故障経験や一般的な故障率について解説します。

私はMacを20年以上、iPhone・iPadを10年以上使ってきました。過去に数回"Apple Care+"に加入しましたが故障は購入後1年以内の初期不良か延長保証期間が過ぎてからの故障ばかりでした。これは"Apple Care+"による延長期間(購入後1年以降)が故障率の最も低い期間にあてはまる確率が高いということです。

月払いプランや年間プランで自動更新して保証を継続する方法はありますが、その分コストがかさみますし、保証範囲内の故障の確率を想定すると必ずしもメリットはあるとはいえません。

一方で"AppleCare+"はハードウエアの修理だけでなく"テクニカルサポート"という製品の扱いやソフトウエアに関するサポートも含まれるのがメリットです。わからないことやトラブル解消に余計な時間を使いたくないユーザーには便利なサービスです。

故障対応とテクニカルサポートについてまとめるとこんな感じです。

✔︎使い方やトラブルの自己解決に自信があり、修理コストを覚悟できる→"AppleCare+"不要

✔︎製品の扱いに不慣れで本体やソフトウエアのサポートを受けたい→"AppleCare+"必要

テクニカルサポートは製品の扱いや端末の設定に不慣れなユーザーにメリットがありますが、ハードウェアの保証だけが目的なら"AppleCare+"(アップルケアプラス)は不要です。

目次

  • 1 【実例】Apple歴20年以上の経験とAppleCare+が要らない理由
  • 2 故障率で見ると"Apple Care+"は不要
    • 2.1 初期不良が発生しやすい期間は最初の1年間
    • 2.2 使用過程における消耗や劣化
  • 3 スマホ保険やモバイル保険でカバー!
  • 4 "Apple Care+"(アップルケアプラス)は有料延長保証
    • 4.1 保証範囲と保証期間
    • 4.2 AppleCare+ の料金(製品別)
      • 4.2.1 【AppleCare+ for Macの料金】
      • 4.2.2 【AppleCare+ for iPadの料金】
      • 4.2.3 【AppleCare+ for iPhoneの料金】
      • 4.2.4 【AppleCare+ for Apple Watchの料金】
      • 4.2.5 【AppleCare+ for Apple Displayの料金】
      • 4.2.6 【AppleCare+ for Headphonesの料金】
  • 5 まとめ

【実例】Apple歴20年以上の経験とAppleCare+が要らない理由

筆者の場合、この20年間でApple製品の修理とバッテリー交換の経験は合計6台です。

機種 故障状況
Mac mini 購入直後、冷却ファンが止まらず爆音、1年のハードウェア限定保証期間内で無償修理
MacBook Air 購入から3年6ヶ月で起動できず、ロジックボードとバッテリー交換で58,300円/税込
MacBook Pro 購入から3年4ヶ月でバッテリーが膨らむ、バッテリー交換で21,780円/税込
iPhone 自然劣化によるバッテリー交換(計3台) いずれも購入から2年以上、5,940円/税込

Macは1年以内または3年越えての修理、iPhoneは3台とも2年越えでバッテリー交換という状況です。iPadに至っては最長6年使った機種でも故障や過失損傷は1回もありません。

この状況だけで考えると"Apple Care+"(延長保証)に加入していたとしても保証期間切れで恩恵を受けることはできません。保証を更新して費用を支払い続ければ保証が受けられた可能性はありますが、"Apple Care+"の費用も同時に増加するということになります。

また、筆者は機器の扱いには慣れていますし、修理以外のほとんどのことは自己解決できます。そのため私自身は"Apple Care+"(アップルケアプラス)は必要ないと判断しています。

2020年作成の関連動画を掲載します。価格情報などは旧いですが参考にしてください。

参考記事:MacBook Pro (2016)のバッテリーが膨らんだので修理!

参考記事:MacBook Airが起動しない時は修理で解決!費用・金額など修理詳細を解説!

故障率で見ると"Apple Care+"は不要

では、故障率の推移はどのようなものでしょうか。一般的な工業製品の故障率について確認します。

初期不良が発生しやすい期間は最初の1年間

初期不良とは潜在的な製造上・設計上の問題あるいは部品や材質の問題によって使用開始直後に不具合が発生することです。

初期不良が発生する確率は購入直後(初期故障期間)が最も高く時間経過とともに低下していきます。そして一定の期間を経て安定した(低い)故障率(偶発故障期間)に落ち着きます。

時間経過と故障率の関係図解

一般的な工業製品には1年の保証期間が無料で付いています。これは初期不良への対応を想定したもです。つまり故障の発生は購入後1年以内に発生することが多いということです。

※現在、Mac本体のAppleCare+は年間プラン(有料)の登場によりキャンセルしない限り保証が継続されますが、その分コストが増えます。

使用過程における消耗や劣化

工業製品を長期間使用すると摩耗や部材の疲労などで徐々に劣化します。

初期不良の発生しやすい期間をすぎると故障率は低下しますが、さらに使用を重ねていくと部品の動作や干渉・嵌合(かんごう/重なり合いや接合)の状況、熱・湿気やホコリなど様々な要因で劣化・摩耗します。こうした使用の影響により故障が発生します。(摩耗故障期間)

初期故障期間には高かった故障率は徐々に低下します。故障率が最も低下した偶発故障期間が一定期間継続し、その後時間経過とともに摩耗・劣化によって故障率が再び上昇します。(既出の表を参照)

つまり"Apple Care+"による延長期間(購入後1年以降)が故障率の最も安定した(低い)期間にあてはまる可能性があります。(月払いや保証期間を更新した場合を除く)

このように故障率の推移を考えると"Applecare+"による有料の保証延長における製品に起因する故障の可能性が低く"Applecare+"加入によるメリットは低いです。保証を延長すればさらに費用がかさみ、より一層メリットが希薄になります。

関連記事→【AppleCare+の必要性】故障率と不運に遭遇する確率編

スマホ保険やモバイル保険でカバー!

macbook-iphone-applewatch
筆者の場合、勤務先で加入している団体損害保険でスマホの液晶割れや携行品保証などもあるので過失による損傷については対応が可能です。ただし過失による損傷が対象であり、自然故障は保証対象外です。

すでに加入している保険で過失による液晶画面割れや損傷の保証に対応できるかもしれませんので、そうした保険に加入していないか確認すると良いでしょう。

また、スマートフォンやモバイル端末向けの保険が販売されていますのでこうした保険を活用することもできます。保険各社によって対象機器や保証範囲が異なりますが、比較的安価な掛け金で加入できますので一考の価値はあります。

参考記事:"AppleCare"は通常の1年保証とスマホ・モバイル保険でカバーできる!

"Apple Care+"(アップルケアプラス)は有料延長保証

ここでは”AppleCare+”の保証範囲や期間、メリット、機種ごとの料金について紹介します。

保証範囲と保証期間

Appleの製品には購入後1年間のハードウエア限定保証と90日間の無償テクニカルサポートが付いています。

さらに"Apple Care+"(アップルケアプラス)に加入すると保証期間が延長されます。保証期間は機種や"一括払い"か"月払い"によって異なります。

なお、無償修理の対象が"製造上の不具合と材質の不具合"に限られるということは理解しておく必要があります。故障したからといってなんでも無償で修理できるわけではありません。

”AppleCare”(無料)と”AppleCare+”(有料)の違いは以下の表の通りです。

種別 保証 保証範囲 期間
AppleCare 1年間のハードウエア限定保証 製品に起因する故障(無償修理) 1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償テクニカルサポート
AppleCare+ 延長された期間のハードウエア保証とテクニカルサポート 製品に起因する故障(無償修理)+過失や使用による損傷・劣化箇所の修理(自己負担金あり)+テクニカルサポート 3年間(または2年間)製品や支払い方法(年払い、月払い、一括払い)に依存、期間延長可能(更新)

参考記事:AppleCare+(延長保証)の必要性は保証規約を見よう!保証は限定的!

"Apple Care+"は過失による損傷の場合、別途修理費用が必要になりますが、"AppleCare+"未加入よりも安価に修理サービスを受けることができます。さらに、劣化による無償のバッテリー交換も対象に含まれます。バッテリー劣化が早いユーザーにはメリットがあります。

参考記事:iPhoneのバッテリー長持ちのおすすめ設定7つのポイント!

MacBookAirの背面とロゴマーク

ここで"Apple Care+"の料金を紹介します。2022年7月1日の値上げ後の情報です。値上げにより加入しづらくなりました。

AppleCare+ の料金(製品別)

【AppleCare+ for Macの料金】

Mac:"Applecare+"料金(税込)
MacBook Air(M1)
iMac(24インチ)
Mac Studio
10,400円/1年間、27,800円/3年間
MacBook Air(M2) 11,800円/1年間、31,800円/3年間
MacBook Pro(13インチ) 12,800円/1年間、34,800円/3年間
MacBook Pro(14インチ) 13,400円/1年間、36,800円/3年間
MacBook Pro(16インチ) 18,800円/1年間、51,800円/3年間
Mac mini 5,400円/1年間、14,400円/3年間
Mac Pro 15,800円/1年間、42,800円/3年間

https://www.apple.com/jp/support/products/mac/(外部リンク)

Macの場合、"AppleCare+"の必要性を感じません。実際に筆者は多くのMacを使ってきましたが、購入後1年以内の初期不良1台と4年目以降の摩耗や消耗による故障2件を経験しました。これは"AppleCare+"に加入していてもメリットがないということをたった1ユーザーの経験で理解できます。これについては既出の故障率のパートで解説しています。

※年間プランは解約しない限り自動更新

【AppleCare+ for iPadの料金】

iPad:2年間の"AppleCare+"料金(税込)
iPad
iPad mini
10,800円(月払い550円)
iPad Air 11,800円(月払い580円)
iPad Pro(11インチ) 19,400円(月払い980円)
iPad Pro(12.9インチ) 21,800円(月払い1,100円)

※月払いプランは解約しない限り自動更新

https://www.apple.com/jp/support/products/ipad/(外部リンク)

今までiPadを5台利用しましたが、故障は1度もありません。最長で6年以上保有しているのが初代の"iPad Pro 9.7インチ"で今も現役で故障もなく使っています。

【AppleCare+ for iPhoneの料金】

iPhone:2年間の"AppleCare+"料金(税込)
iPhone SE 第3世代 11,800円(月払い580円)
iPhone14
iPhone 13(mini)
iPhone12
23,400円(月払い1,180円)
iPhone14 Plus 26,800円(月払い1,350円)
iPhone 14 Pro(Max) 29,800円(月払い1,480円)
盗難・紛失プラン/iPhone:2年間の"AppleCare+"料金(税込)
iPhone SE 第3世代 13,800円(月払い700円)
iPhone14 ・iPhone 13(mini)・iPhone12 25,400円(月払い1,280円)
iPhone14 Plus 28,800円(月払い1,450円)
iPhone 14 Pro(Max) 31,800円(月払い1,600円)

※月払いプランは解約しない限り自動更新

https://www.apple.com/jp/support/products/iphone/(外部リンク)

"iPhone"シリーズについては"AppleCare+"に加入すること必ずしも否定しません。理由は常に持ち歩くことで落下による損傷リスクが高いことです。さらにバッテリー劣化も他の製品と比べると速いでしょう。損得勘定で考えると必ずしもメリットがあるとは思いませんが、保険という前提であれば丁寧なサポートが受けられるという点もふまえて加入しても良いと考えています。iPhoneについては他のモバイル保険やスマホ保険を検討することが選択肢となります。

【AppleCare+ for Apple Watchの料金】

Apple Watch:2年間(Hermesは3年間)の"AppleCare+"料金(税込)
Apple Watch SE 6,600円(月払い300円)
Apple Watch Series8 10,800円(月払い550円)
Apple Watch Ultra 12,800円(月払い650円)
Apple Watch Hermes 19,400円(月払い650円)

※月払いプランは解約しない限り自動更新

https://www.apple.com/jp/support/products/watch/(外部リンク)

【AppleCare+ for Apple Displayの料金】

Apple Display:"AppleCare+"料金(税込)
Apple Studio Display 9,000円/1年間、24,400円/3年間
Pro Display XDR 28,800円/1年間、77,800円/3年間

https://www.apple.com/jp/support/products/display/(外部リンク)

※年間プランは解約しない限り自動更新

【AppleCare+ for Headphonesの料金】

Headphones:2年間の"AppleCare+"料金(税込)
Air Pods、Air Pods Pro、Beats 4,600円/2年間
Air Pods Max 7,800円/2年間

いかがですか?どれも数千円から7万円台まで、けっこうな金額ですよね。iPhone、iPad、Macを所有して、この金額を払い続けると相当な金額になります。2022年7月1日の値上げでさらに加入しづらくなりました。

アドバイスするまでもありませんが、製品購入後はすぐに使用開始するということです。購入時に付いている保証はあくまでも"購入後1年間"です。初期不良は使用開始後すぐに発現するわけではありません。メーカーはユーザーの使い方まで考慮しませんので、とにかく購入したらすぐに使い始めることをおすすめします。

関連記事→“AppleCare+”の必要性 費用で検証すると五分五分編!

まとめ

筆者は過去に3回"Apple Care+"に加入したことがありましたが、結局メリットはありませんでした。この経験から"Apple Care+"加入の必要がない、という結論になりました。

現在のように月払いプランや年間プランで自動更新して保証を継続する方法はありますが、その分コスト増になりますし、保証範囲内の故障の確率を想定すると必ずしもメリットはあるとは思えません。

一方でiPhoneのように持ち歩く機会が多い端末は"Apple Care+"加入を検討しても良いと思います。理由は使用する機会が多くその分、過失による損傷やバッテリー劣化の可能性が高くなるためです。

リスク(故障や過失損傷の可能性)とコスト、さらにテクニカルサポートを必要とするか否か、などを検討材料にします。

iPhoneを落下損傷させた、バッテリーの劣化が激しく交換した、などの経験やリスクを感じるのであれば、"Apple Care+"を検討しても良いと思います。

私はiPhoneやその他のMacで過失による損傷の経験はありませんし、自然故障や劣化も購入後1年以内、もしくは購入後3年以上という経験しかありません。

"AppleCare+"はテクニカルサポート付きの保険という視点で検討しましょう。

参考になれば幸いです。

アップルケア 毎月いくら?

月額700円で、スマホが故障したときの修理費用を年間10万円まで補償しくれます。 その特徴は、大きく2つあります。

AppleCare は無料ですか?

Apple製品を購入した場合には、無料の「AppleCare」が付いてくるのが一般的ですAppleCareには、「1年間のハードウェア製品限定保証」と「90日間の無償サポート」が付いています。

Apple Careの無料期間は?

ほとんどの Apple デバイスには Apple 製品限定保証と最長 90 日間の無償サポートが付いています。

AppleCare に入ってるかどうかを確認する方法?

デバイスが AppleCare や Apple の製品限定保証の対象かどうかを調べる checkcoverage.apple.com にアクセスします。 デバイスのシリアル番号を入力します。 画面の指示に従います。