手術をする際にはそれぞれの術式に合わせた体位を取る必要があります。手術室の看護師は外科医師、麻酔科医師と協力しながら体位を作っていきます。体位を取る上で、重要なポイントについてお話していきます。 Show 【関連記事】
手術時の体位の目的不適切な手術体位は、患者さんの体重や外部からの圧迫による末梢神経障害、発赤や褥瘡などの皮膚トラブル、呼吸・循環障害などの様々な合併症の原因となり、その持続時間が長いほど発生頻度や障害の程度が大きくなります。 体位固定の条件として、 ①循環障害や換気障害を起こさない があります。 手術時の体位調整の基本手術操作が安全で効率的に行われる為に、十分な手術視野を得ることを目的として、術式に応じた体位が取られます。
しかし、手術のしやすさや術野を確保することだけを考えてしまうと、良肢位とかけ離れた体位を取ってしまうことがあります。 体位調整時の注意点安全を確保するためには、患者さんの覚醒時の状況(しびれが元々あるか等)や、関節の拘縮や変形による可動域制限がないか確認し、それらを体位固定の際に考慮して作成しなければなりません。また、体位固定を行う上で良肢位とはどういうことか把握しておくことは特に重要な項目になります。
基本的には手術申し込みの時点で体位が決まっているのですが、まれに間違った体位で申し込みがされている場合があり、その際には手術室看護師の方から担当の外科医師に申し送りをするとスムーズに進みます。看護師も手術体位をしっかりと把握し、外科医師や麻酔科医師と協力していくことは非常に重要になります。 主な体位と起こりやすい神経障害と圧迫部位について■仰臥位 神経障害 ■側臥位 神経障害 ■腹臥位 神経障害 ■切石位 神経障害 同一体位による褥瘡にも注意する長時間にわたる同一体位や不適切な体位固定によって、圧迫・摩擦・ずれが起こり、発赤や褥瘡の原因となります。毛細血管が32mmHgを超えると循環不良となり、さらに毛細血管圧70mmHgで2時間を超えると、組織は不可逆的な阻血性障害に陥ります。手術体位による褥瘡が発生しやすいのは、脂肪や筋肉が少なく、骨が突出していて、手術台や固定具に接触する部位です。 ・基本的なスキンケア(洗浄・清潔・保湿・保護)を行い、体圧を分散させる などといった対策が必要です。 患者さんによって可動域が異なっていたり、元々脳梗塞などで神経障害があったり拘縮があったりと、個別性があります。術前から術後にかけて皮膚トラブルが無い様に、また神経障害が術前から比べて悪化させない様に体位固定を行うことが重要です。 【参考文献】 【関連記事】
第 1 問 〜 第 15 問
第 16 問 〜 第 30 問
第 46 問 〜 第 60 問
腕神経叢麻痺 どこ?腕神経叢は、頚髄から出た神経根が複雑に絡み合って上肢に分布する正中神経・橈骨(とうこつ)神経・尺骨神経などに分かれていく部分で、顔を左右どちらかにひねったときの反対側の鎖骨の上の奥に存在します。 この部分で麻痺を起こす状態です。
手術 神経麻痺 なぜ?手術時の体位調整の基本
体表近くや関節周辺部を走る神経が、過伸展・過屈曲や、突出した骨や固い支持組織によって内部から圧迫されたり、血管の捻転や圧迫による虚血により、しびれや運動麻痺が起こってしまうことがあります。
砕石位による手術で起こりやすい神経麻痺はどれか。?砕石位は、最も「腓骨神経麻痺」が起こりやすい体位のひとつです。
腹臥位手術の影響は?特に腹臥位では,体位変換時における血圧の変動や,腹圧の上昇による静脈灌流障害などの循環に対する影響,体位変換時における挿管チューブの誤抜去や胸腔の圧迫による一回換気量の低下などの呼吸器に対する影響などに注意を要する.
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