*医療機関において発生した事例については、下記のとおり、インシデント・アクシデントに関わらず、(財)日本医療機能評価機構(厚生労働省委託)への報告が義務づけられています。 Show
◆重大事例報告基準【(財)日本医療機能評価機構】 ・明らかに誤った医療行為や管理上の問題により、患者が死亡もしくは患者に障害が残った事例、あるいは濃厚な処置や治療を要した事例。 ・明らかに誤った行為は認められないが、医療行為や管理上の問題により、予期しない形で、患者に障害が残った事例、あるいは濃厚な処置や治療を要した事例。 ・その他、警鐘的意義が大きいと医療機関が考える事例。 ・医療行為や管理上の問題とは何ら関係もなく予期せぬ結果となった場合。 ◆医療過誤とは 「患者に実害があること」、「医療行為に過失があること」、「患者の実害と過失との間に因果関係があること」の3要件が揃った事態を意味します。 「過失によって発生した医療事故」と表現した場合には、医療過誤と同じ意味です。 ◆その他 インシデントの中には、医療行為に関する問題だけでなく、患者さんや家族と医療従事者の間でのコミュニケーションや対人技術に関する問題、患者さんや家族からの苦情なども含まれます。 インシデント管理は、システムをスムーズに稼働させるために、さらにトラブルが起こった際に速やかに復旧させるために欠かせないものです。インシデント管理をしっかりと行い、情報を共有することで、よりスムーズにシステムを運用できるようになります。ここでは、インシデント管理の概要とメリットについて説明します。 インシデントとはインシデント管理を理解するまえに、まずインシデントとは何かを確認しておきましょう。 インシデント(Incident)とは、日本語だと「(好ましくない)出来事」「ちょっとした事件」というような意味を持つ言葉です。ISO22300 (2.1.15)では「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」と定義していて、迅速に対処しなければ被害が広がるような状態のことをインシデントと呼びます。 サービスのサポートデスクなどではシステムが正常に稼働できなくなる事象を指すことが多く、システムのバグや障害、ユーザーの操作ミスによるシステムの停止など、さまざまなことがインシデントに含まれます。 インシデント管理とは何かインシデント管理(Incident Management)とは、何らかの理由でユーザーがシステムを正常に利用できなくなったときに、その原因を取り除き、再びシステムを正常に利用できるようにするためのサポート体制のことを指します。ITサービスや情報システムの運用管理で使われ、主にユーザーサポートが担当するのが一般的です。 インシデント管理はシステムの可用性を維持する方法のひとつとして活用され、システムを素早く復旧させ、ユーザーがすぐに業務を再開できるようにすることを目的に利用するものです。
インシデント管理は、次の6つのステップに分けて進めていくのが基本です。 1. インシデントの検出ユーザーからの連絡やシステムからのアラートにより「インシデントの発生」を検出し、記録を開始します。 2. インシデントの分類ナレッジベースから過去によく似た事例がないかを検索し、その内容や影響する範囲に応じてインシデントを分類します。そのうえで緊急度や優先度、対応の難易度などを決定し、必要に応じてエスカレーションを行います。ちなみにエスカレーションとは、オペレーターの対応可能な範囲を超える場合に上位の管理者などの指示を仰ぐことや対応を引き継ぐことを指します。
3. 担当者によるインシデントの解消対応が容易なものは、ユーザーサポートの担当者が問題を解決します。 4. エスカレーションによるインシデントの解消担当者だけでは対応できないインシデントは、エスカレーションによりマネージャーや責任者が問題を解決します。 5. インシデントの管理システムが復旧したら、その記録をナレッジベースに登録します。経過の観察や顧客のフォローなどが必要な場合は、それらの対応が終了するまで管理を継続します。 6. 終了インシデントが解消して業務が再開されたら、関係者に報告してインシデントへの対応を終了します。インシデント管理のメリットと問題点適切なインシデント管理は、ユーザーサポートの担当者・マネージャー・ユーザーの三者にメリットをもたらします。ただし、そのためには、トラブル対処法などの属人化されていた知見を蓄積・共有し、適切な管理体制を整えておく必要があります。
過去の知見をナレッジベース化して一元管理することで、インシデント管理を効率化できます。ユーザー側のシステムを正確に把握することが可能となるため、迅速で正確な対応ができるようになり、顧客満足度の向上にもつながります。
インシデント管理により、日常的な対応をユーザーサポートの担当者に任せられるようになります。その結果、マネージャーは重大なインシデントや多発するインシデントの分析に時間を費やせるようになります。この分析結果は問題管理へとつながり、システムやサービスの品質そのものを高めることが可能となります。
トラブルが発生した際に、スピーディーで正確なサポートを受けることができ、スムーズに業務を再開できるようになります。これはシステムやサポートに対する信頼性や安心感につながります。
インシデント管理のナレッジベースは、適切に管理されていなければ効果がありません。たとえば、入力されているデータが少ないと、よく発生するインシデントであっても、あらためて対応策を検討する必要が生じてしまいます。また、データとして入力されている事例であっても、対応方法や対応結果などのデータが残っていなければ意味がありません。よって、データ入力に「漏れ」や「抜け」がないかに注意しなければなりません。 データの入力漏れをなくし、適切に管理・運用していくには、ユーザーサポート担当者にナレッジベースの重要性を十分に理解してもらい、手軽に入力作業が行えるシステムを構築しておく必要があります。 インシデント管理と問題管理の違いはインシデント管理とよく似た用語に「問題管理」というものがありますが、この2つには大きな違いがあります。
問題管理(Problem management)とは、インシデントを解消するだけでなく、そのインシデントの再発を予防するための対策を施すことを指します。ここでいう「問題」とは、インシデントを引き起こす根本的な原因のことです。発見された問題をインシデント管理により解決し、その知見をシステムやサービスに反映させることで、品質をより安定したものに改良していくことが問題管理となります。
インシデント管理は、その場で発生しているインシデントを解消することが目的になります。このため、できるだけ速く問題を解決し、サービスやシステムを復旧させる必要があります。その場での対処が主になるので、システムやサービスそのものに変化はありません。根本的な解決策ではなく対処にすぎないので、同じインシデントが再発する可能性があります。 問題管理は、根本的な原因を発見して解消することで、インシデントの再発を予防することが目的になります。このため、多少時間がかかっても構いません。サービスの内容や運用管理方法を修正したり、他の管理プロセスと連携したりするなど、大掛かりな改変が必要になる場合もあります。 まとめ:インシデント管理によりシステムを運営・管理しやすくインシデント管理は目の前で起きているトラブルに直接的に対応する「処理」が主な役目ですが、それだけではありません。重要なのは、インシデント管理によって今後の運営につながるノウハウを蓄積、共有していくことです。そのうえで、根本的な問題解決(問題管理)へとつなげていきます。 インシデント管理は、「サービス担当者とマネージャー」だけでなく、「ユーザー」にとっても利益になるものであり、極めて重要な業務のひとつとして捉えなければなりません。 「インシデント」はビジネスにおいて、システムやサービスに問題が発生し、ユーザーに対して悪影響が起きている状態を指します。アクシデントとはどう違うのかといったさまざまな面からインシデントについて解説しましょう。 目次
1.インシデントとは?インシデントとは、システムやサービスに何らかの問題が発生しており、仕事やサービスを受けているユーザーに悪影響が起きている状態のこと。ここからはインシデントについて、詳しく見ていきましょう。 企業にとって好ましくない出来事のことインシデントは、日本語では「好ましくない状況」や「出来事」と訳されます。そのため、ビジネスシーンでこの言葉を用いる際は、企業にとって良くない事象が起こっている状況といえるのです。 たとえば、「現在、自社において重大なインシデントが発生している」のように使います。そしてここで発生した問題の解決を「インシデント管理」と呼ぶのです。 アクシデントの違いインシデントは「事件」、アクシデントは「事故」を意味します。事件が事故にならなかった場合がインシデント、事件が事故に発展して大きな問題となってしまった場合をアクシデントと呼ぶのです。 たとえば旅客機や電車が故障し、大きな事故につながるかもしれない状況はインシデント、大事故が起きて被害が出てしまった場合はアクシデントとなります。 ヒヤリハットの違いヒヤリハットとは、作業中に「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりするインシデントのこと。ヒヤリハットがないインシデントも存在するため、2つは同義になりません。インシデントにヒヤリハットが含まれると解釈しましょう。 ヒヤリハットがないインシデントを見逃してしまうと、大きな事故につながる可能性もあります。 業種によって意味合いが変わるインシデントは、携わる業種によってその意味が異なります。たとえば情報システム運用の分野では、「セキュリティに影響を及ぼすかもしれない予期しないトラブルや外部からの攻撃」という使われ方をするのが一般的です。 医療の分野では「日常の業務で起こりそうな、医療事故や医療過誤を未然に防げた事例」として使われます。 「インシデント」は重大な事故につながりかねない事態や事件のことです。業種によって意味が異なるため注意しましょう 部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? ・1on1の進め方がわかる 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから 【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】 評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!! ●評価シートが自在につくれる ⇒ カオナビの資料を見てみたい 2.インシデント管理とは?「インシデント管理」とは、発生したインシデントに対応して終息させること。何らかの原因で正常な企業運営ができなくなってしまったとき、正常に戻すための対策を取らなければなりません。 インシデントが発生したら緊急度や重要度で分類し、優先順位を決めて対応に当たります。 インシデント管理の目的はインシデントの解決早急な解決が最優先事項のため、インシデントが起こった原因についての言及はありません。インシデントが終息したら、インシデントの経緯を報告して対応を完了するのです。 インシデント管理と似た意味の言葉として「問題管理」があり、原因究明についてはこちらの管轄になります。 問題管理との違い2つの違いは、下記のとおりです。
インシデント管理のメリットインシデント管理を行うと、インシデントが起こった際に対応できる人材が増えます。インシデント管理では日常的なインシデントとその解決方法を記録するもの。そのため現場の担当者はどのようなインシデントでも対応できるようになるのです。 結果、上司が手を煩わされる場面も減ります。ユーザーは迅速な対応を受けられるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。 インシデント管理を行うと、問題が起こっても過去の経験から迅速に対応できます。業務やサービスの質の向上につながり、顧客にも信頼や安心を与えられるでしょう 部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから 3.インシデント管理の課題インシデント管理を行う際の課題は、情報共有と人材確保。これらが不足すると、正常なインシデント管理ができなくなってしまうからです。ここでは、情報共有と人材確保が重要な理由について解説します。 対応者が誰なのか分からないインシデント管理では、社内での情報共有が必須です。どこで誰がどのインシデント管理を行っているのかが把握できないと、インシデントをスムーズに終息できません。 ひとつのインシデントに同時に複数チームで対応しようとしたり、関連部署間でうまく連携が取れなくなったりといった問題が起こりえます。 スキルのある人材がいないインシデントを解決するには、スキルをもった人材の確保が必要です。スキルのある人材を確保できれば、インシデント管理を正常に行えるため、大きな問題へと発展してしまう可能性も低くなります。 それと同時に、誰でも対応できるようにツールを作成したり、解決法を共有したりするのも重要です。 インシデント管理では、「誰が対応しているかが明確にわかる体制・インシデント管理スキルを持つ人材」が課題となります 部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから 4.インシデントを速やかに解決するポイントインシデントを速やかに解決するためには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、それぞれの工程とケース別のインシデント解決ポイントについて解説します。
①インシデントの依頼を受け付ける場所をまとめるまずはインシデントの依頼が届く場所を一元化します。これにより、誰がどのインシデントについて対応しているのかが明確になるのです。 複数人が同じインシデントに取り組んでいたり、引継ぎがうまくいかなかったりという場面が減るため、抱えているインシデントの把握が容易になるでしょう。 ②インシデントの発生を検出、分類し、解決策を検討するインシデントの発生が検出されたら、そのインシデントの内容を記録します。どのようなインシデントなのかを分析し、今までの記録をもとに緊急性や優先度などを分類するのです。そして解決策を検討します。 基本、マニュアルに則って解決策を作成しますが、どうしても解決できない場合は、上司に任せるとよいでしょう。 ③インシデントを管理して解決する解決策どおりにインシデント管理を進めます。インシデントが無事に解決したら、必ずデータベースに情報を残しましょう。別のインシデントが発生した場合、また分析から作業を行い、解決を行って解決方法をデータとして蓄積するのです。 このようにインシデント管理のデータを貯めると、次に同じインシデントが発生してもより迅速な対応が可能となります。 ケース別のインシデント解決ポイントインシデント管理には「未知のインシデント・インシデントの再発・インシデントの推測」というケースが存在します。過去に起きたことのないインシデントが発生し、今までの記録を頼りにできない場合、問題管理の管轄になるのです。 問題管理で原因を究明し、記録に残します。過去に解決したインシデントが再び起こってしまった場合、以前の解決策が不十分だった可能性も高いです。そのうえ新たな解決策を検討しなければなりません。 インシデントのデータから発生傾向などが推測できた場合も、問題管理で対策を検討できるでしょう。
インシデントを速やかに行うためのポイントは、インシデント情報を一元化し、すみやかに分類や分析を行って対処すること。次回のインシデントに備えて忘れずにデータを記録しましょう 部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから 5.インシデントプロセス面接とは?「インシデントプロセス面接」とは、マネジメント人材にふさわしい、優秀な人材を確保するために有効な面接のこと。1950年代にアメリカで生まれた「インシデントプロセス法」がもとになっています。そんなインシデントプロセス面接について解説しましょう。 インシデントを提示し解決するまでのプロセスを見る面接インシデントプロセス面接は、インシデントの解決を通して推理力や対応力、判断力や意思決定力などをはかるための面接方法です。 面接官がインシデント事例を提示し、面接者は質問を重ねてインシデントの原因や解決方法を提示します。面接官は面接者が提示した原因究明から解決までの過程を評価するのです。 リーダーマネジメント人材の採用に適しているインシデント問題への対応能力を見るため、リーダー人材やマネジメント人材の発掘や採用に適しています。面接者がどのように考えてどのような行動を起こし、問題を解決していくかを観察できるからです。 ロジカルシンキングや判断力から、リーダーやマネジャーの素質がある人材かどうかの判断に役立ちます。 インシデントプロセス面接のメリットインシデントプロセス面接のメリットは、いくつかあります。たとえば実際に企業で起こったインシデントを問題にすると、面接者の提示した解決法が正しいかどうか判断できます。 それによって採用後に面接者がどのように業務にあたるかをイメージしやすくなるでしょう。面接官としても過去の事例を用意するだけなので、準備に時間がかかりません。 インシデントプロセス面接の流れインシデントプロセス面接は、以下の流れで行います。ここではそれぞれのステップについて詳しく説明しましょう。
①面接官が面接者にインシデントを提示するまずは面接官が面接者に対してインシデントを提示します。提示するインシデントは、実際に起こったことがあるインシデントなので、面接者からの質問に対して適切で正確なアドバイスができるでしょう。 適切なアドバイスを行うという点では、自身が実際に関わったインシデントを提示するのもおすすめです。 ②背景となる情報を集め、解決すべき課題を絞り込む問題の提示が終わったら、面接者は提示されたインシデントを解決するため、面接官に対してさまざまな質問を行って問題の原因を追及します。 そして集まった情報をもとに問題の原因を特定し、問題解決のために何をするべきなのか、何が必要なのか、などを明確にしていくのです。 ③課題の解決策を提示する面接者が問題の原因と解決策を確定させたら、面接官に提示します。このとき提示された問題の原因や解決策が誤っていてもさほど問題ではありません。その解決策に至るまでの過程が何よりも大切だからです。 面接官の考えと相違があるからといって評価を下げてはいけません。その過程の判断力やロジカルシンキングを中心に評価しましょう。 ④面接官は面接者を評価最後に質問から解決策の提示までのプロセスの評価を行います。このときオールマイティな人材を求めるのではなく、自社に必要なスキルがある人材を選ぶことが大切です。 たとえばリーダー的な人材が欲しいなら、判断力やコミュニケーション力などを重視します。既存社員の能力と不足している能力を整理し、チームや組織のバランスを考えて選びましょう。 面接官を担当するときの注意点面接官を担当するうえで重要なのは、提示するインシデントに対しての背後にある事実関係を明かさないこと。あくまでインシデントのみを抽出して提示し、面接者に先入観を抱かせないように気を付けましょう。 また質問に答える際には、客観的に答えます。主観や憶測、自分の意見は述べず、質問には淡々と答えるのです。余計な話を始めるのも控えましょう。 インシデントプロセス面接を的確に行えれば、本当に必要な人材をピックアップできる可能性が格段に高まります インシデントの例題は?情報セキュリティインシデントの例. 不正アクセス. DoS・DDoS攻撃. マルウェア感染. 記憶媒体の紛失や盗難. 落雷や地震などによるセキュリティ設備故障. ITILのインシデントの定義は?ITIL®において、インシデントとは、通常のITサービス/ITシステムの停止やサービス品質の低下により、ビジネスの継続やユーザーに影響を与える「できごと」をいいます。
インシデント管理の課題は?インシデント管理の課題
具体的には以下のような課題を抱えているお客様が多くいらっしゃいます。 情報共有、ナレッジ共有が進まない情報共有の仕組みはあるが、情報の整理がされておらず、対応の属人化が改善できていない。 運用情報の有効活用が進まないインシデントの対応に時間がかかったり、対応状況を把握することができていない。
インシデント管理の範囲は?たとえば、自社が何らかのITシステムを提供している場合は、顧客から不具合の連絡を受けてから対応が完了して顧客が問題なくシステムを利用できるまで、さらには再発防止策までがインシデント管理の範囲となります。
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