治療 薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち 正しいのはどれか 2 つ選べ

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2021/3/25
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治療 薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち 正しいのはどれか 2 つ選べ
99回

2021.07.14 2019.10.17

問 題

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。
  2. アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。
  3. ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。
  4. 血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60μg/mL以上の時、有効治療域となる。
  5. 血清リチウム濃度のトラフ値が2.0mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

正解.3, 5

解 説

選択肢 1 ですが
タクロリムスは赤血球に分布するため、通常は全血を用いて TDM を行います。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アミカシンは、アミノグリコシド系抗生物質です。臨床効果は、Cmax / MIC または AUC / MIC と相関します。又、Cmax / MIC が、ある程度以上必要とされています。つまり、ピークがドーンと上がった方が効果が高いということです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、その通りの記述です。

選択肢 4 ですが
バンコマイシン濃度がピーク値として 60 μg / mL 以上 はもう中毒域に近い濃度です。有効治療域は、25-40 μg / mL 程度です。又、トラフ値 10-20 μg / mL を目標とします。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、その通りの記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

治療 薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち 正しいのはどれか 2 つ選べ
101回

2021.07.15 2019.09.24

問 題

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、腎障害患者や妊婦では内因性交差物質が測定値に影響を及ぼすことがある。
  2. アジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMが行われる。
  3. テオフィリンの投与量は、患者のクレアチニンクリアランスを指標に決定される。
  4. TDMは、血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がない薬物において有用である。
  5. 薬物によっては血清分離剤に吸着するため、血清分離剤を含む採血管を使用した場合には、血清中濃度を低く見積もる場合がある。

正解.1, 5

解 説

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
高い値が出ることがあります。

選択肢 2 ですが
アジスロマイシンは、マクロライド系です。第 8 脳神経障害の副作用が特徴なのはアミノグリコシド系抗菌薬です。アミノグリコシド系の例はストレプトマイシンやカナマイシンです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
テオフィリンは、CYP 1A2 により代謝されます。つまり、肝代謝の薬です。クレアチニンクリアランスは、腎機能の指標です。よって、明らかに誤りです。ちなみに、小児への投与の時には体重を基に投与量を計算します。

選択肢 4 ですが
血中濃度と薬効・副作用に相関がなかったら、血中濃度を測っても、副作用の回避などに活かすことができず、有用ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。
カルバマゼピンや、フェニトイン、リドカインなどが知られています。

以上より、正解は 1,5 です。

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第99回薬剤師国家試験

2020年4月11日

第99回薬剤師国家試験 問343

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。
アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。
ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。
血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60 µg/mL以上の時、有効治療域となる。
血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

解答・解説


解答
3、5


解説
1 誤
タクロリムスは血球と血漿間の薬物分配が室内温度や放置時間により変動することがあるため、TDMを行う際には、全血試料を用いる。
2 誤
アミカシン硫酸塩は濃度依存型の抗生物質であるため、最高血中濃度を高くすることにより抗菌作用が強くなる。また、アミカシン硫酸塩の最低血中濃度(トラフ値)が一定濃度以上に維持されると、腎障害を起こしやすくなる。このため、アミカシン硫酸塩を投与する際は、以下のことに注意する必要がある。
・最高血中濃度を高くなるようにする。
・トラフ値を一定値以下に下げるようにする。
3 正
ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後のトラフ値を示す時間(投与前)が望ましい。
4 誤
バンコマイシンの有効治療域は、ピーク値:25〜40 µg/mL、トラフ値:5〜10 µg/mLである。なお、バンコマイシン濃度の副作用発現域は、ピーク値:60 µg/mL以上であることから、血清バンコマイシンの濃度がピーク値として60 µg/mL以上の時、副作用が発現する可能性が高くなる。
5 正
リチウムの有効治療域は、0.4〜1.2 mEq/Lであるため、血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

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-第99回薬剤師国家試験

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第101回薬剤師国家試験

2020年4月11日

第101回薬剤師国家試験 問173

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、腎障害患者や妊婦では内因性交差物質が測定値に影響を及ぼすことがある。
アジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMが行われる。
テオフィリンの投与量は、患者のクレアチニンクリアランスを指標に決定される。
TDMは、血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がない薬物において有用である。
薬物によっては血清分離剤に吸着するため、血清分離剤を含む採血管を使用した場合には、血清中濃度を低く見積もる場合がある。

解答・解説

解答
1、5


解説
1 正
腎不全患者、肝不全患者、新生児、妊婦の血清中には、DLIS(digoxin−like immunore active substance)が存在することがある。そのため、腎不全患者、肝不全患者、新生児、妊婦に対して、血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、測定値に誤差が認められることがある。
2 誤
アジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMを行うことはない。なお、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMを行う抗生物質には、アミノグリコシド系抗生物質、グリコペプチド系抗生物質がある。
3 誤
クレアチニンクリアランスは腎機能の指標であり、テオフィリンなどの肝消失型薬物の投与量の決定には用いられない。
4 誤
TDMの目的は、血中濃度をコントロールすることにより薬効及び副作用をコントロールすることにある。そのため、TDMは血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がある薬物において有用である。
5 正
フェニトインなどの血清分離剤に結合する薬物は、血清分離剤を含む採血管を使用した場合に、血清中濃度を低く見積もる場合がある。

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-第101回薬剤師国家試験

治療薬物モニタリング(TDM)の対象薬物はどれか?

2 正テイコプラニンは、腎消失型薬物であり、患者のクレアチニンクリアランスに基づいて投与設計が行われる治療薬物モニタリングTDM対象薬である。

治療薬物モニタリング(TDM)が必要とされる代表的な抗生物質はどれか。?

TDM が必要な抗菌薬:ゲンタマイシンやアルベカ シンなどのアミノグリコシド系薬とバンコマイシンや テイコプラニンなどのグリコペプチド系薬。 薬物投与後、適切時間に採血を行い 薬剤部あるいは検査部で薬物血中濃度 を測定。

薬剤治療薬物モニタリングTDMの実施が推奨される薬物はどれか1つ選べ?

治療薬物モニタリングTDM)とは、治療効果や副作用に関与する様々な因子をモニタリングしながらそれぞれの患者に個別した薬物投与を行うことである。 選択肢の薬物のうち、TDMの実施が推奨される薬物は、バンコマイシンである。

薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉が必要な薬剤はどれか?

TDMが重要になる薬剤としては、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、バルプロ酸やフェニトインなどの抗てんかん剤、炭酸リチウムなどの精神神経系用剤などが挙げられます。